冷えと漢方のお話
2018.11.17
こんにちは。
ゆかスキンクリニック院長の青木由佳です。
今日も秋晴れの気持ちのいいお天気ですね!
凛と澄んだ空気が心地よく気持ちいい季節ですが、
同時に、身体の冷えも気になってくる季節です。
『冷えは万病のもと』と言いますが、皆さまは冷えは大丈夫ですか?
ゆかスキンクリニックの特徴の一つは漢方を扱っている事です。(保険適応あり)
というのも、私自身医者になってからも長らく、漢方薬なんて『葛根湯』くらいしか知らなかったのですが、
ふとした時には、内科の先生に足がむくんで辛いけど、利尿剤飲むわけにはいかないし、何か良いお薬ないかな〜。
と相談したら、『柴苓湯』というお薬を出してくれたのです。
(ちなみに柴苓湯は漢方薬の中でもかなり高い薬でめっちゃ高くてびっくりした。)
そうしたら、なんと、私の頑固な足のむくみがスッキリ〜〜〜〜。
私の足ってこんなに細かったのね!!!太い太いと思っていたのはむくみだったんだ。と感銘を受けました。
何より、むくみが取れる事で、身体が軽くなり、体調もよくなったのが嬉しかったです。
私は当時不調が多く、すぐ頭痛や頭重感、吐き気が起き、何事にもやる気のないタイプでした。
自分自体のやる気が足らないせいなのかもとか、自分のダメさに落ち込むことも多々ありました。
でも漢方に出会い、自分の不調の原因をしり、自分の傾向と体質を知ることで、
少しでも不調の日を少なくし、また不調を早く乗り切るすべを身につけ、今では日々快適に過ごしております!
(不調な日もあるけれど、かなり少なくなったし、乗り越えやすくなりました!)
不調な日が多いと、楽しく日々を過ごせないばかりか、そんな自分のことまで嫌いになってしまいます。
そんな不調が少しでも取り除けて、皆様が日々快適に過ごせるお手伝いができたらな、と日々思っています。
さてさて今日のテーマ『冷え』ですが、
冷えるとむくむし、血流も悪くなり、節々が痛んだりします。
『冷えは万病のもと』という言葉は本当だったのですね。先人の言葉は偉大だ。
漢方薬の良さが発揮できるところの一つは、『冷えの改善』だと思っています。
私自身、すごく虚証で年中冷える。夏でも足が冷えて、目が覚めるくらい。
冷えがひどいと、朝、しっかりお風呂に入って身体をあっためないと、動き出せません。
そんな私がよく冷えに使う漢方の一部をご紹介します。(独断と偏見で選んだ、ごく一部です!)
まずは23番、『当帰芍薬散』 。 女性3処方と呼ばれる、女性の不調の大定番のお薬です。ゆかスキンクリニックのロゴにもなっている『芍薬』が含まれています。
冷え性の女性で、血虚(栄養素である『血』が不足している状態、肌ツヤがなかったりふらついたりする症状が出ます)、むくみが気になる方によく出します。
虚証(少し体力のないタイプ)の女性の基本処方です! 虚証の女性のフェイスラインのニキビなどは、むくみや冷えによる代謝不良による水毒ニキビ(私が勝手に名付けました)が多い印象で当帰芍薬散が合う場合も多いです。 個人的にはあっためる力はそこまで強くないので、まず基本ベースとして使っています。
次は118番 『苓姜朮甘湯』 。私の救世主の漢方薬です。私、自分の冷えに対して色々試してきたのですが、なかなかしっくりくるのがなかったのです。そんな時、とある先生から、『腰から下が冷たいお風呂に入っているような冷えには『苓姜朮甘湯』がよいよ。』というお話を聞きました。腰から下が冷えて、あったかい湯船に浸からないと元気になれない私にぴったりなのでは、と試してみたら、、、ドンピシャ!!!!
『苓姜朮甘湯』のおかげで足がほかほかした状態で目覚めることができます!何より、この『苓姜朮甘湯』は生姜(乾姜)が入っていて、生姜湯のようで美味しいのです。
あ、漢方薬で最後に『湯』と付いているものは昔は白湯に溶かして飲んでいたのです。今は持ち運びやすいようエキス剤になっているものが多いですが、
実はハーブティーのように溶かして飲むと良いです。私はコップに適量の水と漢方を入れて、レンジで50秒ほどチンとして温め、かき混ぜて飲んでいます。
あっためて飲むことで、さらに身体を温める力が増しますよ!!
まぜまぜ。
うん、美味しい。(自分に合う漢方は美味しく感じるらしいです (笑))
では次、43番『六君子湯』。これもとっても良い漢方薬ですね!これは代表的な補気剤(元気にする薬)の一つです。胃腸の調子が悪い時、胃もたれ・食欲不振などに効きます。人参・大棗・生姜・半夏・蒼朮・陳皮などの温薬が入っており、温め作用があるので、冷え性で胃腸の調子が悪い人によく出します。(温め作用はこれもそこまで強くない印象ですが)
とある先生の話だと、心が寒い時(失恋)の時にも使えるとか!?(笑) はい、、、私も使ってみたことありますよ! (笑)効果のほどは、、、まぁ悪くないような気がします。
それはそうとして、私も胃腸の調子が良い方ではないので、結構よく頼ります。
私たちの身体を作るのは私たちが食べたもの。胃腸が悪いと栄養素が吸収できず、元気になれないのです。
漢方の世界ではまずは胃腸から立て直せ!という教えがありますので、胃腸の調子が悪く、その他の不調もある方は、まず、胃腸の治療から開始します。
さてさて、長くなりましたが、最後38番。『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』 とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう。 長い!そして読めない!!!
これはしもやけによくだす漢方なのですが、手足などの末端が冷える人に向いています。当帰や芍薬が入っているので補血作用もあり、血虚が強く、冷えてあちこちが痛む人に向いています。あっため効果は結構強い。ただ、呉茱萸(ごしゅゆ)がちょっと苦いので味が苦手な人も結構いるかもしれません。私は結構この呉茱萸(ごしゅゆ)の苦味が癖になって結構好きなので(大人な味わいです)、もちろんお湯に溶かして味わって飲んでいます。
以上一部ですが、冷えに効く漢方をご紹介させていただきました。
それ以外でも普段の生活から、身体を冷やす食べ物を避ける、また飲み物は氷を入れず常温〜あったかいものにする。運動して筋肉をつけ代謝をあげるなど、色々な冷え対策実践して、冷えからくる不調を改善しましょう!!!