院長ブログ

当クリニックでは、患者様お一人お一人の肌の状態に真剣に向きあい、
健康で美しいお肌づくりをサポートいたします。

にきび治療とイソトレチノイン内服

2025.07.08

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こんにちは!
ゆかスキンクリニック院長の青木由佳です。

暑い日が続きますね。
暑いとつい外出が億劫になってしまいますが、このままではいけない!と思い、昨日はまた山に行ってきました。

朝早く出かけたことと、太陽がちょうど雲に隠れてくれていたこと、さらに木々が影をつくってくれていたおかげで、思ったよりも暑くなく、新緑に包まれて風も気持ちよく、とても心地よい時間が過ごせました。

夏場はつい冷房の効いた部屋にこもりがちですが、たまには汗をかいて、暑さに身体を慣らすことも大事ですね。

 


さて、今日は当院での「にきび治療」についてのお話です。

にきびは、主に思春期から出はじめるもので、**全人口の約85〜95%**が一度は経験するといわれています。
そして、思春期を過ぎても「にきび」に悩まされている方は非常に多いのが現実です。

にきびの原因としては、アクネ菌が有名ですが、他にも皮脂の分泌増加、ターンオーバーの乱れによる毛穴の入り口の角化異常、免疫や抗酸化力の低下など、さまざまな要素が絡み合っています。

思春期は性ホルモンが一気に増える時期なので、皮脂分泌が活発になり、毛穴が詰まりやすくなることで、にきびができやすくなります。

<にきびの原因>

 

新しくできるにきびの治療の基本は適切なスキンケア・保険診療での治療・食事の3つです。

日本では、にきび治療に関して「遅れている」と言われてきましたが、最近ではアダパレン(ディフェリン)や過酸化ベンゾイル(ベピオ)など、欧米でもスタンダードな塗り薬が保険で処方できるようになっています。

とはいえ、「保険のお薬を使ったら赤くなってガサガサになった」「ヒリヒリしてつらかったので、保険の皮膚科はやめて美容皮膚科に来ました」…そんな声もよく耳にします。

でも、使い方やスキンケアの方法を少し工夫するだけで、刺激やトラブルをかなり軽減できることも多いんです。
そして、これらの塗り薬は即効性はないものの、長期的に継続することで徐々に改善が見られるケースが多いのも特徴です。

また、「食べ物とにきび」の関係でいうと、
「チョコレートや揚げ物が悪い」と思っている方も多いですが、実は最近の研究では、にきびを悪化させる原因として“糖質”が注目されています。白米・パン、砂糖、小麦製品、や乳製品の摂取によって、IGF-1(インスリン様成長因子)というホルモンが上昇します。このIGF-1は、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を増やしたり、アンドロゲンの働きを強めてしまうため、にきびを悪化させます。

当院は特に栄養や生活習慣が大事という考えがあるので、にきび治療に関してはこの基本、適切なスキンケア・保険診療での治療・食事・栄養の指導を主軸に考えています。

そして『にきび後の赤み』や『にきび跡の凹凸』に対しては保険で有効なものがないので、ジェネシス・POTENZA・ダーマペン・サブシジョン・サーモン注射・ジュベルックなどの自由診療メニューをご提案しています。

ただ、新しい赤みを作らないためにも、ニキビ跡の瘢痕にしないためにも、新しいにきびを作らないことが一番大事!とはいえ、にきび治療は本当に難しく、標準治療行ってもなかなか効果が出ないケースも手強いケースもあります。そのため、当院でも昨年から『イソトレチノイン』の内服を導入いたしました。

イソトレチノインは海外では「重症にきび」の第一選択薬とも言われているお薬で、皮脂分泌を強力に抑制する効果があり、にきびの新生をしっかりと抑える効果があります。。ただし、催奇形性(妊娠中の服用で胎児に影響を及ぼすリスク)があるため、妊娠する可能性のある女性に対しては特に慎重な管理が必要なお薬です。私自身、以前の勤務先などで処方経験もありましたが、最近ではオンライン診療などで説明が不十分なまま気軽に処方されている現状を見て、不幸な事故が起こるのではと心配し、導入には慎重になっていました。

それでも今回導入を決めたのは、
やはり「早期ににきびの新生を抑えて、にきび跡を残さないことが、なによりも大切」だと強く感じたからです。にきびがある状態も辛いですが、『にきび跡』はその後生涯の悩みになることが多く、悩みが深い。『ニキビ跡』も以前にくらべるとだいぶ改善できる治療も増えてきていますが、まだまだ手強い。
なのでニキビ跡を残さないように『早期』に『積極的に』にきびを抑えることもにきび治療においてはとてもだ時だと思っています。

ニキビ跡の赤みに対しても、にきびの新生が落ち着けば、炎症は時間と共に治るから、若い子にレーザーなどを積極的にお勧めするのも気が引けて、赤みの治療は以前は積極的にしていなかったのですが、数年前に学会発表で赤み・炎症が遷延することでそれが凹みになるということを学び、いまではニキビ跡の赤みに対しても早いうちから積極的な治療をお勧めしています。赤い状態で治療をすることで、赤い色を利用してそこに強くレーザーなどを効かせることもできるし、炎症を早期に鎮静させることで、後から凹みになるのを抑えます。

ということでイソトレチノイン(アクネトレント内服)とレーザー・高周波のコンビネーション治療の患者様の経過写真です。


にきびの新生が落ち着きだいぶお肌もスムースになっていますね!
アクネトレントはしっかり診察した上で、女性の患者様は妊娠可能性の有無や必要に応じて妊娠検査をした上で処方されていただいています。肝機能や脂質異常を起こすこともありますので、内服前と内服1・3ヶ月での採血も行っています。内服1ヶ月〜2ヶ月にかけては乾燥症状が強くでることもあります。

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