攻めのジェネシス12000ショット
2025.01.17
こんにちは😊!ゆかスキンクリニック院長の青木由佳です✨
私をご存じの方はもう知っての通り、自分で言うのもなんですが、私は勉強好きなんです📚💡
人の体はさまざまで、お肌の状態や反応は一人ひとり異なります。さらに、予算や許容できるリスク、効果が出るまでの希望する期間など、考慮すべき要素が非常に多いため、
“これがベストな治療”、”ベストな道のり”というのはなかなか難しい。(お肌も変化していくし)
ただ、そのいろんな要素や要望を踏まえた上で、その方にとってベストな治療を見つけ、指針を決めていくのが私たち医師の腕だと思っています。 そのためには、知識と技術と経験のどれもが大事。
多くの方は知識を人伝てだったり業者さん任せにしてしまうのですが、私は研修医のころ、上の先生に「きちんとエビデンスはあるのか?論文はあるのか?」と厳しく指導されたこともあり、論文をたくさん読むようにしています。 とはいえ、美容分野の研究や論文はサンプルサイズが小さく、あくまで一研究の結果に過ぎないことも多いのですが、たくさんの論文を読み多方面の見解を知ることで、人伝のふわっとした表面的な知識(ときに間違っていたり、業者さんの情報は偏っていたりする)ではなく、深い理解が進むと思っています。 ただ、論文だけを信用するのも危険で、実際の患者様の反応を見たり、経験を積むこと、他の先生の経験を聞くことも本当に大事です。
とくに美容や栄養の勉強をすると、体の中やお肌でどんなことが起きているかをイメージしながら治療の道のりを作っていくことができるし、 ちゃんと理解しているからこそ、患者さんへもしっかりとした説明ができると思っています。
そして人伝ての情報も大切なのは、その情報の発信源がどこなのか、発信者がどんな経歴や知識、経験を持っているのかを見極めるのが大事です。 信用できる先生の発表や言葉は非常に参考になります。そのため、学会やセミナーは私にとって貴重な学びの場です。
先日、だいぶ時間が経ってしまいましたが、カスタマイズ治療の大本山『KO CLINIC』の黄先生にお誘いいただき、
韓国で有名なKaiser先生のKaiserメソッドについて学ぶ機会をいただきました。
Kaiserメソッドは、基本的にはロングパルスヤグレーザー(ジェネシス)とトーニングを併用し、肝斑などの光老化が強いお肌を作り替えていく方法です。
Kaiser先生は、私なんかが比べ物にならないくらい勉強熱心な先生で(なんなら栄養的アプローチもすごく重要視していて、美容の患者さんでもリーキーガットの治療が必要だと盛り上がりました!)
私が全然知らない世界をたくさん教えてくださいました。
Kaiser先生のお話の中で、真皮には『乳頭層』と『網状層』という異なる層があり、それぞれに異なる線維芽細胞が存在するという興味深い話がありました。
とても興味深かったので、私もその後文献を読み漁りました!
老化(とくに光老化の影響)によって、浅い位置にある乳頭層の線維芽細胞の機能が落ち、数も減ってきます。 乳頭層の線維芽細胞は表皮への影響力もあり、肝斑などのメラニン産生や表皮の細胞ケラチノサイトのターンオーバーなどとも密接に関わっているます。 一方、網状層の線維芽細胞はお肌の構造を維持するのに大事で、ある程度の年齢まで数は保たれます(おそらく機能的には低下しているけれど)。 加えて、年齢とともに乳頭層の線維芽細胞が網状層の線維芽細胞に分化するという説もあったりします。この乳頭層と網状層の線維芽細胞の違いは、傷の再生の段階でとても大事な要素になってくるため、組織再生(バイオエンジニアリング)の分野で注目されているようでした。
話を戻すと、光老化では浅い乳頭層の線維芽細胞の機能が弱り、ECMが低下したり、老化細胞が増え慢性炎症を起こしていたりして、皮膚表面の老化症状、
しみや肝斑・小ジワなどを引き起こします。 ロングパルスヤグはある程度深く届くのでこの真皮乳頭層周囲を加熱するのにちょうどよい波長なのです! 血管の太さなども加味したうえでパルス幅を設定し、43度前後にお肌を温めて線維芽細胞を刺激するのが大事だというのがKaiser先生のお話でした。
私もロングパルスヤグは長らく愛用していて、いつも強調してますが大大大好きなのです。回数は必要ですが、施術の痛みも少なく、お肌の質感がとても良くなり、デリケートなトラブルが起きやすいお肌が丈夫になりお肌がふっくらして赤みも軽減する。
ただカイザー先生はこの温度43度を保つことを強調されていらっしゃって、43度ってかなり『熱い!』となる温度ぎりっぎりなのです。
なので心地よいというよりも時々あちちってなる、ドキドキハラハラするくらいの温度。
私的に少し気になったのは、この43度は線維芽細胞を刺激するのにとてもよい温度ではあるものの、コラーゲンが熱変性するには60度以上といわれており、変性したコラーゲンを作り直す(リモデリング)直すには弱いのではないか。というところです。実際ジェネシスを当てていると皮膚自体の質感がとてもよくなり柔らかくなるのですが、コラーゲンの組成の影響なのか、きちんとリモデリングできているのかがわかりませんでした。
60度を超えると火傷のリスク・コラーゲン変性は促すものの瘢痕になるリスク・炎症性サイトカインがでて炎症が長引いてしまうリスクなどなどあり、韓国では高温にする治療から43度前後の低温の治療にシフトしていっているそうです。
とはいえ、果たしてその温度でコラーゲンがリモデリングできているのかな?とずっと疑問に思っていました。
が、いろいろ私自身またいろいろと調べたところ、レーザーのように不均一に組織が加熱されると、熱による変性だけでなく、あったかいところと冷たいところができるおかげで組織の間の水分が移動して物理的にコラーゲンのばらばらにする効果も働くので比較的低温(この文献では45-50度)でもコラーゲンのリモデリングがおきるよ!という文献もありました。ますますジェネシスの効果を自信をもっておすすめできますね!
それで、当院でも真皮の温度を43度くらいまでしっかり上げて、それをしばらくキープできるよう、しっかりしっかり熱を加えるジェネシスのメニュー『ジェネシス12000ショット🔥』の設定を作りました!当て方やパルス幅、動かすスピードなどももいろいろ工夫をしまして、いつもは気持ちいはずのジェネシスが、ちょっと熱くてドキドキしちゃう感じです。とくに赤みがある方はジェネシスは赤い色に反応する性質上熱くなりやすいのですが、赤い=血管拡張があると熱も逃げやすく、時間をかけてゆっくり丁寧に熱を入れていきます!
ジェネシス12000ショット、私たちスタッフも繰り返し試していますが、経過はとても良好です💯✨!
もちろんポテンツァの肝斑モードなども真皮乳頭層をターゲットに熱を入れていきますので、同様の効果があります。
いつものジェネシスよりもより効果を出したい!肌に厚みを出していきたい!トラブル知らずの柔らかい赤みの少ないお肌にしていきたい!と言う人におすすめの治療になります☺️