院長ブログ

当クリニックでは、患者様お一人お一人の肌の状態に真剣に向きあい、
健康で美しいお肌づくりをサポートいたします。

重症ニキビ治療薬イソトレチノイン内服を取り扱い始めました

2024.04.22

テーマ:

こんにちは、ゆかスキンクリニック院長の青木由佳です。
春は花粉や黄砂など色々刺激になるものが多いのと、湿度や気温が高くなり、皮脂や汗の分泌が増えるけれどもまだ
毛穴や皮脂腺がその状況になれておらず、毛穴がつまり安かったり、湿度のせいで皮膚の常在菌の働きが活発になったりで
皮膚トラブルが多い時期。ですね。
こういった時こそ普段のスキンケアが大事。
当院ではゼオスキンやリビジョンのほかエムディアなどをメインでとりあつかっておりますが、
この度、『肌のバリア修復』に特化した『スキンフォニア』いうブランドの『化粧水』と『美容液』『乳液』の取り扱いを始めました。

『ナイアシンアミド』、『セラミドNG』、『ヘスペリジン』、『レスベラトロール』、『オレイン酸フィトステリル』の独自のカクテルが
外部からの肌ストレスからお肌を守り、健康なお肌を作っていってくれます。
私も先日ピコフラクショナルという破壊力の強いレーザーをしたので、普段のスキンケアから、スキンフォニアさんのスキンケアにしばらく
変更しましたが、お肌がすごくしっとりして、ピコフラクショナル後の乾燥を全然感じず過ごすことができました!
皮膚の乾燥症状や揺らぎやすいお肌の方にはおすすめのスキンケアです。
にきびの人には美容液は少し重たいかもしれませんが化粧水なら使えると思います。
にきびのでやすい脂性肌の方にはゼオスキンの『バランサートナー』やエムディアさんの『MLAローション』WiQoの『WiQoフルイド』が皮脂コントロールによいのでお勧めすることがおおいのですが、炎症や外用剤によりバリア機能が壊れて慢性炎症が遷延している方は、まずバリア機能から修復した方がよいので、スキンフォニアさんの化粧水や乳液はお勧めです。

さて、タイトルについてですが、
ゆかスキンクリニックでも『イソトレチノイン』の内服薬『アクネトレント』(商品名)の取り扱いを始めました。
イソトレチノイン(アクネトレント)はビタミンAの一種で、『角化抑制作用』、『皮脂分泌の抑制(皮脂腺縮小作用)』、『アクネ菌に対する抗菌作用』、『抗炎症作用』などがあり、難治性ニキビに対して高い効果があります。海外では重症ニキビに対する一般的な内服薬で長年使用されている薬剤です。日本では厚生労働省の認可をうけていないため、輸入して処方することになります。

長年使用されていて実績もある薬で、重症ニキビに対する効果も高くよいお薬なのですが、
妊娠中(前1ヶ月)に飲むと、赤ちゃんに影響を与える(胎児に先天異常、流産、早産、死産の危険性が極めて高い)あったり、乾燥症状が強くでたりしますので、
内服には注意が必要なお薬です。
昨今、『イソトレチノイン』の内服が軽症のにきびの患者さんにも気軽に出されすぎていると感じます。
処方の際の避妊の必要性を認識せずに(ドクターからの説明が十分に行われていないのかもです)、内服している患者さんも多いと感じます。
もちろん、『重症』にあてはらまらず、私たちが『中等症』や『軽症』と認識する患者さんでも、にきびが新しくでき続けることの心理的負担がとても大きいのはわかるのです。しかしながら、『イソトレチノイン』は重大な副作用も起こりうる薬ですし、もっと慎重に処方すべきだな、と思っています。

私は初めて美容皮膚科で働き出したクリニックが『イソトレチノイン』の処方をしているクリニックだったので、
使用経験もあったのですが、当院では、『イソトレチノイン』が必要になるくらい重症なにきびの方が当院にはあまりいなかったこと、また当院ではにきびなどの慢性疾患には日々のスキンケア指導、内側からのアプローチ、食事指導や漢方やオーソモレキュラーでのアプローチでかなり改善させることができるため『イソトレチノイン』内服の必要性をそこまで感じていなかったこと。から取り扱いを行っておりませんでした。
ただやはり、一部『イソトレチノイン』内服が必要だなと感じる患者さんもいらっしゃること。(そういったときは他院にご案内していました)
また『イソトレチノイン』内服が治療に難渋する多発性の脂腺増殖にも効果的であるということなどから
『イソトレチノイン』であるアクネトレント10mgと20mgを導入いたしました。

上記の理由より、当院では誰にでも処方するというわけではなく、あくまで重度ニキビの治療薬として適応のある方に注意点を説明の上で処方しますので、診察で適応が無いと判断させていただいた方には処方できません。ご了承ください。
特に女性に関しましては、内服中および内服後1ヶ月内に妊娠されると胎児へ重大な影響を与えることがありますので、
内服前の妊娠検査や内服中の避妊に関してはしっかり行っていただく必要性があります。
また肝機能や脂質に影響を与えることがありますので、男女とも、治療前・治療後1ヶ月・3ヶ月で採血が必要となっております。
容量としてはだいたい体重あたり0.5〜1mg/kgになりますので、50kgの方で、20mg〜30mg, 70kgの方で30~40mgが目安となります。
大体4~6ヶ月ほど内服し、皮脂腺を抑制し縮小させていきます。内服をやめると、にきびはできることがありますが、以前よりもかなり軽微になっていることが多いです。
繰り返しますが、慢性のにきびなどではスキンケアや腸内環境・栄養改善などのオーソモレキュラー的アプローチもとても大事になりますので、
イソトレチノインを内服されるかたも、内服後の再発を抑えるという意味も込めて、スキンケアや栄養の見直しを同時におこなっていくことが大事だと思っております。

イソトレチノイン内服に関するウェブサイトも作成いたしましたので、詳しくはこちらをご覧ください。

にきびだけでなく多発する脂腺増強の方にも処方しておりますので、脂腺増殖で困っている方もご相談ください。

イソトレチノイン内服に関しては、クリニック側ととしては処方するだけで良い薬になる薬なので、
本当に気軽に処方されるようになっている現状があり、今後悲しい事故が起きるのではないかと心配しております。
当院では慎重に処方していきたいと思っております!

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