サブシジョン+ダーマペン4のコンビネーション治療
2022.12.28
こんにちは。ゆかスキンクリニック院長の青木由佳です。
今年の診療もあともう1日。
ブログはあと2個くらい書きたいところ(駆け込み!)。
今日はニキビ瘢痕に対するサブシジョンとダーマペン4のコンビネーション治療の症例写真ができたのでご紹介します。
にきびはそれ自身も辛いのですが、炎症性にきびの炎症が強くて皮膚が破壊されたり、自分で不衛生かつ不適切にニキビをつぶしちゃったりするとニキビあとの瘢痕が残ってしまい、それがその後も長くお肌のコンプレックスとなることがあります。
まず第一にアクティブなニキビがある人は、ニキビ治療をおこない、ニキビの新生を抑えることが大事です。
ニキビあとの赤みなどは時間経過とともに自然に改善したりすることもありますが、クレーターのようなニキビ痕の瘢痕は自然に治ることはなく、今も昔もそして世界的にも、美容皮膚科の大きな課題の一つです。ふかーい真皮層まで剥離しちゃうブルーピールや(逆に瘢痕になってしまうので日本人には不向き)、削らないようなレーザー治療にもどってみたり(これだと効果が弱すぎた)、全層は剥離せず部分的にお肌の入れ替えを行うフラクショナルレーザーにダーマペン、ニードルRFなど、少しずつニキビ瘢痕に対しての治療法の選択肢も増えてきたし、以前よりもダウンタイムは抑えめだけれども効果もある治療も増えてきたように感じます、それでもまだまだ手強いニキビ瘢痕治療。
私も昔からいろんな治療をやってきましたが、最近はPOTENZA水光・ダーマペン4・サブシジョン・リジュランSなどを行うようになって、手応えを感じています。
それぞれの棲み分けは、
①サブシジョンは深めの瘢痕や引き連れ
②ポテンツァ水光はお肌が硬めの人・真皮のコラーゲンがすかすか・ゆるゆるになっている人
③ダーマペンは全体的にお肌を削って滑らかにしていく。浅めの瘢痕
④リジュランSは萎縮性の凹んだクレーター
ニキビ瘢痕が強いひとは特に最初はサブシジョンをお勧めすることが多いですが、それぞれの治療にはそれぞれの良さがあって、コンビネーションで組み合わせてやっていくのがよいなという印象です。
そしてこちらがサブシジョン(PDRN2cc)とダーマペン4のコンビネーション治療の症例
2回治療後の経過です。
正面
右側
2回の治療でだいぶ萎縮性瘢痕も赤みも回復していますね!
当院でのサブシジョンは真皮層の瘢痕を破壊するだけでなく、PDRNという創傷治癒を促す成分も注射しています。PDRNはポリデオキシヌクレオチドの略でDNAの破片みたいなもので、優れた皮膚再生効果や抗炎症効果があります。ニキビ瘢痕の強い人は皮膚がガチガチにかたいので、サブシジョンで物理的にゆるめることはもちろん、このPDRNで正常な傷再生を促すのがよいのではないかなーとPDRN併用を行っています。
リジュランSはこのPDRNよりも少し大きめの分子のPNと呼ばれる製品で、半減期も長いのと他のリジュランシリーズよりもより長く組織に止まるという性質があり、より瘢痕組織によいなという印象をもっています(刻まれたしわなどにも私はリジュランSを使います。)サブシジョンのときもこのリジュランSを使いたいところなのですが、お値段がすごく高くなってしまうため、PDRNを使用しています。
なのでピンポイントのクレーター治療ならリジュランSがお勧めです。
こちらのモニター症例の患者様は3回目のサブシジョンPDRN2cc+ダーマペン4を終え、
かなり深いところの瘢痕が和らいできたので、今後は表面の硬さをとっていくためにPOTENZA水光をしていこうかとお話しをしています。
ニキビ瘢痕はなかなかに手強いですが、昔に比べるとできることが増えて、効果が見える治療も増えてきたように思います。とはいえまだまだ回数もかかるし、完全に満足できる肌質にもっていくのは難しいのですが、今後もよりよい結果を目指していきたいと思います!