秋はしみとりの季節!ルビーフラクショナル治療
2024.10.14
こんにちは!ゆかスキンクリニック院長の青木由佳です。
紫外線がだいぶ落ち着いてきましたね。 夏場は強い紫外線により、メラニンをつくる「メラノサイト」が活発に働き、肌には「メラニン」が増えがちです。このメラニンはシミの原因となるため、美容皮膚科では「メラニンの生成を抑える」という言葉をよく耳にします。そのため、メラニンが悪者のように感じるかもしれませんが、実は大切な役割を果たしているのです。
メラニンは、紫外線による細胞のDNAダメージを防ぐために作られています。肌の色が薄いコーカシアン(以前は”白人”と呼ばれていましたが、現在はより適切にこう表現します)では、メラニンが少ないため、紫外線の影響を受けやすく、皮膚がんのリスクが高まります。また、メラニンは抗酸化物質として、活性酸素を除去する働きも持っています。このように、メラニンは私たちの肌を守るために存在しているのです。
しかし、紫外線を浴び続けることでメラニンが過剰に生成され、メラニンが表皮の「ケラチノサイト」(角化細胞)に蓄積されると、ケラチノサイトの増殖が遅くなり、結果として色素沈着が残りやすくなりシミとなります。メラニンがお肌を守るためにできるとはいえ、この不均一な色むらは外見的によろしくありません。また、メラニンができているということは、紫外線の影響でお肌がダメージを受けており、修復がうまくいかなければ老化が進んでしまうということです。
なので、やはり夏場は紫外線対策をしっかりとするのが大事ですね。紫外線対策には、ノンケミカル・吸収剤フリーで散乱剤のみを使用した日焼け止めを使用することを推奨します。さらに、「飲む日焼け止め」には、シダ植物由来のポリポジウム成分が含まれた「ヘリオケア」が有効です。この成分には科学的な裏付けがありますが、他の飲む日焼け止めについてはエビデンスが少ないため、私はポリポジウムのものを推奨しています。
夏場は、メラノサイトが活性化してメラニンを作りやすい状態になっているため、黒いメラニンをターゲットにするレーザーを行うと炎症後色素沈着が出やすくなります。そのため、夏場の紫外線が強い時期にはシミ取りを希望される方にも「もう少し待ってね。今のうちに炎症後色素沈着が出にくいお肌作りをしていこうね!」とお伝えしています。
紫外線によるダメージを修復し、極力抑えるためには、創傷治癒や抗炎症作用のある「リズネ」などのPN製剤、お肌を作る「ECM製剤」、栄養分をしっかりとお肌に浸透させるエレクトロポレーション「ケアシス」、お肌の機能を改善させていくニードルRF「POTENZA」などをおすすめしています。
そしていよいよ!紫外線が落ち着いてきました〜! みなさま、お待たせいたしました!!!シミ取りの季節ですよ!
当院には「ディスカバリーピコ」という素晴らしい機械があり、さまざまなモードで使用できます。
- 丸いスポット状のシミには、532nmのピコレーザーでのシミ取りスポット治療!
- ぱらぱら全体にある方には、694nmのルビーフラクショナル治療がおすすめです。
ルビーフラクショナルはピコレーザーではなく従来のQスイッチレーザーというタイプですが、フラクショナルという点状にレーザーが出るのが特徴で、点の部分は強く反応し、周りは正常組織のためダメージが少なく広い範囲に照射できます。そのため、全体にぱらぱらとあるシミに効果的です!
こちらが症例写真1回の経過です
赤みは直後に出ますが、1〜2日でだいぶ落ち着き、テープを貼る必要もありません。もちろん、シミ取り治療は1ヶ月後に炎症後色素沈着が出ることが日本人では6割程度と言われていますので、できるだけ炎症後色素沈着を抑えるために治療前のプレトリートメントや治療後のポストトリートメントも大事です!
私も早速ルビーフラクショナルを受けましたので、ダウンタイムをお見せするために写真を撮ってみました。私の場合、翌朝にはほんのりした赤みがあるくらいで、あまり気にならない程度でした。この赤みは個人差があります。
シミが多い方は、シミの部分が少し黒っぽくなる感じがあります。
ルビーフラクショナルに使用するルビー694nmという波長はメラニンへの吸収が高いため、シミに反応が良いのですが、同時に炎症後色素沈着も起きる可能性があります。その方の肌質やメラノサイトの状態、さらには血流の悪い顔の外側が炎症後色素沈着が出やすい傾向があります。
そのため、ゆかスキンクリニックではルビーフラクショナルをピコフラクショナルとのコンビネーションで行っています。(博多のBTCクリニックの西田先生が提唱されていて、取り入れました!)患者さんによって、顔の外側にシミがあまりない場合や、鼻の部分のシミがなく毛穴が気になるといった場合には、ルビーフラクショナルではなくピコフラクショナルで対応しています。ピコフラクショナルは1064nmの波長で、メラニンに反応しますが比較的弱いため、炎症後色素沈着が起こりにくく、良い感じに色むらを取り除いて明るく均一な肌にしてくれます。
ルビーフラクショナル(ピコフラクショナルとのコンビネーション)
お値段はこちらになっています。(炎症後色素沈着を抑えるためのトラネキサム酸やビタミンC・ビタミンEの内服は別途かかります)
看護師施術のクリニックが多いかと思いますが、ルビーフラクショナルは出力設定が難しいため、ゆかスキンクリニックではドクター施術にしています。
紫外線が落ち着いていくこれからの季節におすすめの施術です! シミが気になる方はぜひご相談くださいね!