こんにちは。みなさまの健康で美しいお肌をサポートするゆかスキンクリニック 院長の青木由佳です。
今日は新しい美白クリーム『シスぺラ』のご案内!
美容皮膚科で処方する『美白剤』といえば『ハイドロキノン 』と『トレチノイン』が有名ですよね。
当院でも、ハイドロキノン は部分使い用に『プラスリストア ナノHQクリーム4%』
とセラピューティックにも使うゼオスキン の『ミラミン』『ミラミックス』(ハイドロキノン 4%)
でご用意しています。
ハイドロキノン はメラニン合成酵素であるチロジナーゼを阻害して、メラニン色素を作るメラノサイトに対して細胞毒性をもっている、いわばシミの漂白剤。
トレチノインと併用することで、しみや色素沈着・肝斑など効果もしっかりあってとても良い薬なのですが、ハイドロキノン は比較的かぶれることがあるので注意が必要。
また長期使い続けるとまれにですが、オクロノーシスという黒皮症が起こることがあります。
(ハイドロキノン は実は日本では化粧品として販売することもできるのですが、この『よくかぶれる』せいで、あまり広くは販売されていないのです。)
ハイドロキノン 以外にも色々な美白作用のある成分は色々ありますが、なかなかハイドロキノン ほどキレのよいものがないなぁと思っていたところ、この『シスペラ』をご紹介いただきました!
『シスぺラ』はスイスのscientisという会社がだしている商品で『システアミン』という美白成分が含まれています。
『システアミン』は必須アミノ酸でもあるL-システイン の代謝産物でもともの私たちの体の中にも存在している抗酸化成分です。
『システアミン』もう50年以上まえから皮膚の色素沈着に効果があるということはわかっていたのですが、パーマ液のような独特の臭い!!!から、なかなか商品化できなかったそうですが、このscientis社の技術でシステアミンの分子の安定と匂いの減少を実現することができました。(とはいえ、まだまだ臭いですが 笑)
『システアミン』抗酸化作用があるだけでなく、さまざまなメラニン生成の経路に作用してメラニン合成を抑えます。
主な作用機序としては
①チロシナーゼ阻害:メラニンの生成阻害
②ドーパオキシダーゼの阻害:メラニンの生成過程でできるドーパの酸化を阻害
③ペルオキシダーゼの阻害:黒色メラニンの生成を阻害
④細胞中のグルタチオン を増加:強力な抗酸化作用により活性酸素を除去、チロシナーゼの不活性化、ドーパキノン と反応して黒色メラニン経路ではなく黄色メラニンを生成
⑤抗酸化作用によって角質層の濃色メラニンを淡色メラニンに還元
とたくさんの過程でメラニン生成をブロックしてくれます。
ちなみにシスペラは『システアミン』だけでなく『ナイアシンアミド』や『ビタミンC誘導体(アスコルビルリン酸ナトリウム・パルミチン酸アスコルビル)も入っており、こちらも美白効果があります。
システアミンクリームの肝斑に対する効果も文献でいくつかみましたが、なかなか良い結果でした。
抗酸化作用のおかげか、シミ・くすみなどの色素病変だけでなく肌質もよくなっている印象。
シスペラは浸透しやすく、浸透しすぎると赤みなどの刺激症状がでてしまうため、使用方法が少し変わっていて、
皮脂がある状態で使う方がよいのです。なので、朝の洗顔前や、帰宅後、化粧を落とす洗顔の前に使います。
そしてシスペラを塗布して15分後に洗顔。いつも通りの保湿をします。
最初は集中治療期とし1日1回2〜4プッシュを16週間。その後は維持治療として週に2日ほど続けていきます。
私もしばらく前からシスペラを使い始めています。最初はパーマ液のような臭いが気になって正直使いづらかったのですが、
何回か使用するうちにだいぶ慣れてきました。
使用感は臭いをおさえるためなのか、硫黄の安定化のためなのか、ミネラルオイルが結構入っているしっとりとした使い心地。私は油が皮膚に残る感じが気になるタイプなので、洗顔しても油分が皮膚に残る感じが結構気になりました。
が、ミネラルオイルのエモリエント作用のおかげか、お肌はしっとりもちもち。乾燥肌の人にはとてもよいと思います。
肝斑でお悩みの方、ハイドロキノン でかぶれる方、ハイドロキノン +トレチノインの赤みや乾燥が苦手な方
におすすめの『シスペラ』
数週間後には販売できると思いますので、入荷したらお知らせいたします!
お楽しみにしててくださいね!