イソトレチノイン(アクネトレント)
イソトレチノイン(アクネトレント)はビタミンAの一種で、『角化抑制作用』、『皮脂分泌の抑制(皮脂腺縮小作用)』、『アクネ菌に対する抗菌作用』、『抗炎症作用』などがあり、難治性ニキビに対して高い効果があります。
欧米では中等度~重度のニキビ治療薬として30年以上使用されていますが、日本では厚生労働省の承認が取れていないため、保険が適応されません。自費診療にての取り扱いのみとなります。
※あくまで重度ニキビの治療薬として適応のある方に注意点を説明の上で処方しますので、診察で適応が無いと判断させていただいた方には処方できません。ご了承ください。
※あくまで重度ニキビの治療薬として適応のある方に注意点を説明の上で処方しますので、診察で適応が無いと判断させていただいた方には処方できません。ご了承ください。
このような方におすすめ
- 保険治療をしっかりと行なっているにもかかわらず、ニキビの再発がコントロールできない中等度〜重症ニキビの方
- 嚢胞性にきびや結節性にきびがあり、炎症が激しい場合
- にきびが瘢痕を残す可能性が高い場合。
内服量について
内服量 | イソトレチノインを0.5〜1.0mg/kgの用量で内服します。(通常0.5mg/kgで治療を開始) 女性で20~40mg、男性で30~60mgが平均的な容量です。 |
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内服方法 | 1日1回1錠を食後に内服 (必ず食後に内服してください) 飲み忘れてしまった場合は、次の服用時間になってから通常の量を服用してください。服用し忘れた分があっても、2回分以上を一度に服用しないでください。 カプセル剤を開けたり、破損したものを服用しないでください。 |
内服期間 | 1クールは4~6か月です。2クール目を希望される場合は、少なくとも2か月の休薬が必要です。 |
検査 | 処方には事前に血液検査が必要になります。女性の場合は妊娠検査が必要です。 内服開始後も1ヶ月、3ヶ月後に採血チェックが必要です。 |
服用時の注意点
- 内服中に妊娠した場合、短期間のいかなる量であっても胎児に先天異常、流産、早産、死産の危険性が極めて高い薬剤です。胎児への影響(奇形のリスク)があるため、妊娠中の方は服用ができません。
- 女性が内服する場合、内服前1ヶ月、内服中、内服後1ヶ月は避妊してください。避妊方法においては2つ以上の避妊方法を併用してください。
- 男性がイソトレチノインを服用中に特別な避妊措置をとる医学的必要性は確立されていませんが、念のため、内服前1ヶ月、内服中、内服後1ヶ月の避妊をお勧めしています。
- 妊娠女性への輸血により、胎児にイソトレチノインの影響が生じるリスクがあるので、服用中、飲み終えて1ヶ月以内の献血は控えてください。
- 服用期間中とその後1ヶ月間は授乳をしないでください。
- イソトレチノインを、他の人と共用しないでください。
- 肝臓、腎機能悪化のリスクや血糖値上昇のリスクがあるため、肝臓や腎臓の機能異常がある方や糖尿病の方は内服に注意が必要です。内服中、内服終了後6か月は妊娠・授乳は絶対に避けてください。
起こりうる副作用
- 皮膚の乾燥・口・鼻・眼の粘膜の乾燥
- 乾燥に伴う皮膚炎や赤ら顔、鼻出血
- 肝機能障害・脂質異常
- 合併症として胃潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、アナフィラキシー、抑うつなどの報告もあります。
治療が受けられない方
- 妊娠中、妊活中、授乳中の方
- 15歳未満のお子様(成長期で身長が伸びている方)
- 精神疾患のある方 (うつ病、うつ気質の方)
- 肝、腎機能障害のある方
- 中性脂肪、コレステロールの高い方
- 糖尿病の方
- 炎症性腸疾患のある方
- パラベン・大豆・ピーナッツアレルギーのある方
- フルクトース不耐症の方
- ビタミンA過剰症、ビタミンAでアレルギーを起こしたことがある方
- レーシック手術の前後6か月の方
併用に注意が必要な薬剤・サプリメント・治療
- テトラサイクリン系の薬剤 (ミノマイシン、ビブラマイシンなど)
- サプリメントを含むビタミンA製剤
- ステロイド内服
- 抗てんかん薬 (フェニトイン)
- 内服期間中の美容治療は医師と相談してください。